骨粗しょう症は早めの認識と対策が大切!
骨粗しょう症が怖い理由
「身長が縮んできた」「背中が曲がっている」「腰や背中の痛みがある」。このような人は、もしかすると骨粗しょう症かもしれません。
骨折をして、ようやく自分は「骨粗しょう症だ」と気づく人が多いのですが、脊椎圧迫骨折(脊椎の骨折)の場合、骨折しているのにもかかわらず、たんなる腰痛だと思って気づかない場合があります。
圧迫による背骨のつぶれ
圧迫による背骨のつぶれは、少し重いもの物を持ち上げたときなど、ちょっとしたことでも起こります。脊椎圧迫骨折を起こすと、次第に背中が曲がっていき、身長が縮んでいきます。たいした痛みがない場合もあれば、背中や腰が激しく痛んで寝込んでしまうこともあります。
背骨が圧迫骨折をしているとも気づかず、そのまま放っておいて変形がかなり進んでくると、肺や胃などの臓器を圧迫してしまい、ものが食べられなくなる、息切れしやすくなるなど、消化器・呼吸器系の不調につながりやすくなります。
身長が縮んできたら
このようなことから、「身長が縮んできた」「背中が曲がっている」「腰や背中の痛みがある」という症状が当てはまる人は、骨粗しょう症の疑いがあります。
特に、若い頃より身長が4㎝以上縮んだら、骨粗しょう症を疑ってみましょう。
骨粗しょう症が原因の骨折は、背骨、太ももの付け根、手首、腕の付け根などで起こりやすくなります。そして、骨粗しょう症が進み、骨がもろくなると、日常生活のささいな転倒でも骨折してしまうようになります。
骨粗しょう症は大腿骨に注意
なかでも特に注意したいのが、太ももの付け根(大腿骨)の骨折です。大腿骨は骨格の中でいちばん丈夫な骨で、私たちが歩くことができるのも、この骨のおかげです。大腿骨を骨折すると、手術や入院が必要となり、しばらく歩くことができなくなるため、そのまま寝たきりになって介護が必要になったり、それが原因で認知症になったりすることもあります。
閉経後は骨密度に注意
女性は50歳前後の閉経時期から、骨密度が急激に下がり始めます。女性ホルモンのエストロゲンには骨の新陳代謝を活発にする作用があるのですが、その分泌が減少することで、骨の新陳代謝が低下して骨がもろくなって骨粗しょう症になりやすくなるのです。
カルシウムが大切
骨粗しょう症を防ぐには、骨の主成分であるカルシウムの摂取量を増やし、骨の形成をサポートするビタミンD(魚やキノコなど)、ビタミンK(緑黄色野菜や納豆など)などの栄養素がバランスよくとれた食事をすることが大切です。
骨への刺激はカルシウムの骨沈着を促す
骨に圧力をかけることは、骨へのカルシウムの沈着を促し、骨を強くします。高齢者はウォーキングなどの軽い運動を毎日続けましょう。カルシウムの吸収に必要なビタミンDは紫外線を浴びることで作れます。毎日の買い物や散歩など10分程度の外出で充分なので、日中はなるべく外出を心がけましょう。