栄養バランスのよい食事が解決の鍵
食後の血糖値スパイクと糖化を防ぐには
血糖値スパイクとは?
食事をすると、血糖値が上昇します。これは食べ物に含まれる糖質の影響です。 ところが、なかには食後に激しい血糖値の急上昇と急降下を繰り返す人がいます。グラフで見ると、まるでとがった針のように急上昇し急降下するため、この状態を「血糖値スパイク」と呼びます。
血糖値スパイクが引き起こすこと
血糖値スパイクが起こると、活性酸素が発生して血管を傷つけ、やがて動脈硬化が進み、糖尿病はもちろん、心筋梗塞やがん、認知症などの病気を引き起こす原因になるといわれています。
さらに血糖値スパイクによる血糖値の乱高下(急上昇と急降下を繰り返すこと)は自律神経のバランスを崩し、日々のイライラや不安、頭痛、不眠など心の病気を引き起こす原因にもなっています。
糖質の摂取によって血糖値スパイクが起こると、血管が傷つくと述べましたが、そもそも血糖値が上がることは、体の機能の低下につながります。なぜかというと、血糖値が高い状態のときは、体内で「糖化」という現象が起こっているからです。
糖化とは?
糖化とは、糖がタンパク質とくっついてしまう反応のことで、糖がタンパク質とくっつくと何が起こるかというと、元のタンパク質の機能を低下させるか、機能そのものをなくしてしまうことになるです。
血糖の濃度が高くなればなるほど、糖とタンパク質はくっつきやすくなるという性質があるため、血糖値が上がれば、それだけ糖化が進みます。
糖化が進むとどうなる?
糖化が進めば、体の機能が落ちます。つまり、老化がどんどん進んでしまうのです。
私たちの体は髪、皮膚、爪、筋肉、内臓、血管、歯、骨の一部、ホルモンやヘモグロビンまで、ほとんどタンパク質でできています。ですから、糖が体内に入ってくれば、体のいたるところで糖化が起こります。血管で糖化が起きれば動脈硬化が起こり、皮膚で起こればシミやしわにつながります。
血糖値スパイクや糖化を防ぐには?
血糖値スパイクや糖化を防ぐためにも、糖質を制限し、血糖値を上げないようにすることが大切です。
糖質のコントロールでまず手っ取り早いのが、ご飯、パン、麺類などの主食を少なくすることです。そして、主食を少な目にする一方で、肉や魚、野菜、海藻、豆などのおかずを増やして、おかずでおなかをいっぱいにすることを心がけましょう。そうすれば、自然と栄養バランスのよい食事になるはずです。
血糖値スパイクによる血糖値の急上昇・急降下は睡眠の質も悪くします。そこで、睡眠の質を良くするポイントは、夕食の糖質を制限することです。
はじめて糖質制限をする人は、夕食だけでも糖質を抜く(少な目にする)のが、もっともハードルの低い食べ方でしょう。その点でいえば、寒い季節はお鍋がおすすめです。