睡眠の力は偉大なり!
睡眠の力
最新の研究によって、睡眠が体に大きな影響を及ぼすことがわかってきました。
長期的に睡眠不足が持続してしまうと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかりやすくなり、ひいては寿命が短くなるというリスクが高まるそうです。
そのほかにも脳の老化が進んでしまったり、太りやすくなったり、さらに美肌にも大きく影響していきます。
内臓脂肪型の肥満による①メタボ(メタボリック・シンドローム)のほかに、②高血糖、②高血圧、④脂質異常症の4つ症状が、2つ3つ4つと重なれば重なるほど、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まるため、この4つは「死の四重奏」と呼ばれています。
逆に言えば、たっぷりと良質な睡眠をとることができれば、「メタボ」「高血糖」「高血圧」「脂質異常症」のリスクを低く抑え、体をケアして若返らせることができると思います。
良質な睡眠が大事な理由
では、どうして良質な睡眠をとると、体を若返らせることができるのでしょうか。
良質の睡眠をとることができると、「成長ホルモン」と「メラトニン」という2つの「若返りホルモン」が分泌されます。
成長ホルモンは子どもの頃は成長するために、大人になってからは日中の活動で壊れた細胞を修復して疲労を回復させるという働きがあり、体を若返らせるホルモンの1つです。
睡眠中は浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を交互に繰り返しています。
成長ホルモンが最も大量に分泌されるのは、入眠してすぐの最初の深い眠りある「ノンレム睡眠」の時です。
そして、分泌されやすい時間帯は午後10時から午前2時頃だと言われています。
ですから、遅くとも、深夜の12時までに寝て、7~8時間の良質の睡眠をとることが若返りのポイントになります。
さらに睡眠中には「メラトニン」というホルモンも大量に分泌されます。メラトニンは人を眠りに導くホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
メラトニンには強い抗酸化作用があり、老化やがんを抑制するという大きな働きがあります。
夕方になって暗くなり始めるとともにメラトニンの分泌が増えていき、午前2時頃にピークになります。
成長ホルモンとメラトニンは「若返り」と「長生き」には欠かせないホルモンで、良質な睡眠で同時に分泌させることが大切なのです。
体内時計は自然に逆らわずに
人の体には「時計遺伝子」というものがあり、それが「体内時計」を刻んで1日のリズムを作っています。それを「サーカディアンリズム(概日リズム)」といいます。
おおまかに言えば、朝になれば起き、食事をして活動し、暗くなれば寝るというリズムですが、このリズムがくずれると、生活習慣病や不眠など、いろいろな不具合が起こってきます。
健康的に過ごすためには、自然のリズムに合わせた規則正しい生活が大切で、それが長生きの秘訣なのです。