内臓脂肪減少は健康への第一歩
体重の3%を減量するだけで健康になる!?
病気と肥満の関係
糖尿病、脂質異常症、高血圧、痛風、脂肪肝など、生活習慣病のほとんどが食べ過ぎや運動不足による「肥満」がベースにあり、改善するには「やせること」がいちばん効果があります。
肥満のタイプ 洋ナシ型とリンゴ型
肥満には、二つのタイプがあります。一つは皮膚のすぐ下に脂肪がたまる「皮下脂肪型肥満」です。閉経前の女性に多く、下半身太りになりやすい「洋ナシ型」ともいいます。もう一つは、内臓の周囲に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」です。これは男性や閉経後の女性に多く、おなかがぽっこり出るので、「りんご型」ともいいます。
健康にとくに悪影響を与えるのは内臓脂肪型肥満で、その90%の人に高血圧や糖尿病、脂質異常症などがあるといわれています。残りの10%の人も、そのまま放っておくと、こうした合併症を発症する危険性が高くなります。
内臓脂肪
内臓脂肪は皮下脂肪よりも、体の中にたまりやすいのが特徴なのですが、逆に言えばエネルギー不足のときには真っ先に使われます。
つまり、食事制限(食事の量を減らすこと)や運動をしてエネルギーを使おうと努力すれば、自然と内臓脂肪はどんどん減っていくのです。
内臓脂肪が気になる方は、すぐにでもダイエットを始めましょう。
ダイエットの進め方
まず3~6カ月かけて体重の3%の減量を目標にダイエットを行ってみてください。体重の3%とは、70㎏の人なら、2.1㎏です。「その程度ならやせらせるかもしれない」と思った人は多いのではないでしょうか。実際、食べる量を減らすだけでも3%くらいは簡単に減らせるはずです。
ダイエットというと、外見などの見た目の変化を求めて急激な減量をする人がいますが、「生活習慣病のリスクを下げて健康になる」ことを目的とする場合は、1カ月に1㎏の減量を上限の目安にして徐々に体重を減らしていきましょう。
そうやって少しずつ減量していくと、リバウンドしにくく、長続きしやすいでしょう。3%の減量に成功しても、見た目はあまり変化はないかもしれませんが、内臓脂肪が少しでも減ることで、健康面で確実に良い効果が表れてきます。
糖尿病や脂質異常症、高血圧がある人は、検査の数値もチェックしましょう。体重の3%の減量だけでも、血糖値や血圧などの数値が良くなっているはずです。数値の改善を励みにして、さらなるダイエットに挑戦しましょう。
ダイエットはまず食事の改善で体重を徐々に減らしていき、体重が少し減ってきたら、運動を加え、運動量を増やしていきましょう。
一度に食事量を減らしたり運動量を増やしたりせず、少しずつ進めていくことがダイエットを成功させるコツです。